幼馴染の父親が亡くなったと聞いた。
昨年は自分の父親が亡くなり、この人生100年時代にしてはそこそこ早かったねぇと思ったのだが、どうやら同じ年齢で亡くなったようだ。1歳差だったのか。知らんこともいっぱいある。
この件については私の姉が言いにくそうに「伝えておかないといけないことがあるから、食事が終わったら話す」と言ってきて、あぁそういう類の話かなと思っていたらまさにその通りだった。幼馴染の両親ともにそれぞれ違った方向の体調不良であることは聞いていたので、どちらの話かなと思っていたらそちらでしたかという。これがいいことかは分からないけれど、割とすがすがしい気持ちだった。
私の中で一番強い記憶は、幼馴染と互いの父親同士の4人でキャンプに行ったことだ。
当時小学3~4年生くらいだったと思うが、当時からずっと「なんで!?!?」と思っていた。母親同士はよく一緒に出かけていたので分かるが、話したこともなさそうな父親同士が、わざわざキャンプ!?という驚き。子どもがいなければあり得なかった組み合わせ。
とはいえ、私の父はワンダーフォーゲル部だったくらいにはアウトドアが好きだったし、幼馴染の父は運動神経がよく器用で、キャンプをするのには申し分ない。運転し、テントを立て、BBQの準備から片付けまでテキパキこなしてくれていたが、それはさておきなんでこの組み合わせなんだ……という感想がニコニコ動画のようにずっと脳内に流れている、みたいな時間だった。新鮮で楽しかった。女親がいないことによる不安は大きかったが。お風呂やトイレでトラブルがあったらどうするんだよと子どもながらに思っていた(何もなかったから良かったよ)。
私が大人になってからは、幼馴染の父親としてではなく、その人単体で見ることや接することが多くなった。だから父親としての印象よりも、個人としての印象が強い。
何でも強い人だった。威圧感があるわけじゃないけど、いつも強い人。そんな印象。得意なものしかやっていなかったのかもしれないが、そういう印象操作まで含め強い。だからこそもっとやれたのでは、と思う部分があり少し惜しい。具体的にはその強さを生かした教育・育成までやってくれたらと勝手に思っていたので。本人の強さを見せつけたままいなくなったという点では惜しく、寂しい気持ち。でも本人がどう思っていたかまでは知らないので、やりたいことができたのであればそれでいいのだけれど。
幼馴染本人とは今では連絡は一切取っておらず、お互いに誰かしらを通じてふんわり存在を認識しているくらい。今回のことでもわざわざ連絡はしない。分かりやすくパパっ子だったので、必要以上に落ち込んでいなければいいと思う。思うだけだ。
私の母が「それで(幼馴染ちゃんが)急ぐように結婚したのかもね。お父さんに花嫁姿を見せるの間に合ってよかったね~」と言っており、すごい親みたいなこと言ったな、と思った(親だが)。母の母らしい一面を見た。確かにそういう意味でもよかったねと思う。
幼馴染とその父親は友達同士みたいだったんだよな。小学生の頃、車に乗せてもらって3人で話しているとき、“幼馴染とその父”というよりは“友人2人の輪に私が外から入れてもらっている”という感覚だった。懐かしい。
そういう意味では、幼馴染は友人を1人亡くしたような感覚なのかな、どうなのだろうか。大人になってからの2人のことを知らないが、よき最期だったことを願う。
そんなことを書いていたら、幼馴染の父親以上にお世話になっていた、恩師のような方の訃報が入ってきた。
最近、自分がお世話になった方が亡くなりすぎている。私もそういう年齢なのかもしれない。
こんなことを言うと不謹慎かもしれないが、訃報を聞いたら、ここ数カ月抱えていた慢性的な体調不良が治った。正確には訃報の1日前くらいから調子が良い。
“身の回りの誰かが亡くなってから人生が始まる”という考え方、私はかなり有ると思っている。
おそらく5年前くらいから「母が亡くなってからが私の人生だな〜」とぼんやり思うようになっていた。片親育ちなこともあり、私の生活は母が全てであった時期が長い。そういう意味でも、母がいなくなってはじめて自分のことを考えられるようになるのではないかとふと思ったのだ。去年実家から出て、その気持ちは薄れてきてはいるが、まだほんのり残る。
そうしているうちに父が亡くなった。父は遠くで暮らしていたし連絡も取っていなかったので何の感触もない……かと思いきや、父が亡くなってから人生が加速する感触があった。
父が亡くなったからこそ父に会いに行けた(=葬式に行った)のだし、父との確執という一つの問題が片付いた瞬間でもあった。確執というほど仲悪くないけどね、単に接していなかったので……。
今回の恩師の訃報でも、またひとつ人生が加速するんだなと感じる。父と違ってまだ片付いていないこともあるし、これからが大変な側面もあるけれども。
ありがたく感謝を伝え、自分の人生にまた向き直って邁進していく。